「築年数がすこぶる古い団地(公営住宅)の自力リノベーション」

RENOVATION

公営住宅に住むということ

築年数の古い団地(公営住宅)というものは、

「快適である」とか「便利である」なんていう、おそらく現代の日本に居住している一般人が求める、ある程度の一般的基準を満たしていない要素を多大に含んだ住宅なのである。

ここに数例をあげてみよう・・・

部屋割りは、和室が三つとダイニングキッチン(と書くと聞こえはいいが、台所兼食事所のような空間であり、決して横文字っぽいネームが似合う場所でではない)という構成なのだが、そのうちの三つに、エアコン取付のサービスホール(エアコンの室内機と室外機を繋ぐ配管や配線を通すための壁に開いている穴)がついていない。むろん公営住宅(賃貸)であるので、壁に穴を開けて、新たにサービスホールをつくることは許されていない。なので、サービスホールの部屋にエアコンを設置する場合は、ベランダへ続く窓の上の方にある小窓を利用して「配管」と「配線」通すことになる。さらに。エアコンを作動させるための電力は大きいので、通常エアコン専用のコンセントが設置されているのだが、もちろん、そんなものもない・・・ これも玄関にあるブレーカーボックスから新たに配線する必要があるのだが、電気工事業者でないと出来るものではない。あたりまえだが、これも費用が必要になる。その上、別料金を支払って専用コンセントを増設するためにはまだ条件がある。ブレーカーボックスにまだ予備の電源元に余裕がある場合である。これに余裕がなければ、一筋縄ではいかない。元々一筋縄でいってないのに・・・

次、

台所の水道(蛇口)が給湯器に繋がっていない。つまりお湯が出ない・・・ さすがに真冬になると水が冷たすぎて食器も洗えないので、自己で「瞬間湯沸かし器」なるものを設置しなければならない。 それも、瞬間湯沸かし器を設置するには、ガス取り扱い関係の資格保有者でないと施工できないので、それに該当する業者に頼むとけっこうな出費になる・・・

ついでに、

デフォルトのトイレではウォシュレットはついていない。

風呂場に換気扇がない。

もちろん、上にあげた例は、個別の建物の条件で異なってくるわけだが、公営住宅に入居をお考えの方にお勧めしたいのは、まずはきちんと住居の状態を把握することである。あとで思わぬ出費が待ち構えていることがあるので、気を付けていただきたい。

上の画像を見ていただこう。基本的には、このようななんの飾り気もない和室しかないと思って頂きたい。もちろん先ほども述べたが、改築工事などを経ている建物もあるのだが、公営住宅の場合、基本的には建物内の全部屋が同条件であることが多いので、ひとつの部屋だけ改築されているということは、まずないであろう。

風呂場はこのような感じで、タイル造りであり、冬場はとても冷たい。換気扇がないので、風呂を済ますと窓を開けて換気することになる。次に入浴するときの寒さといったら、なかなか堪えるものがある。それと、築年数が古い公営住宅(団地)の場合、建物が建った当初は風呂場がなく、後付けで設置されている場合が非常に多い。なので排水溝やバスタブの下など、掃除がやりづらい構造になっている場合があるので要注意である。

全般としては古臭いのだが、決して汚いわけではない。先住民の生活の汚れは、次の住居人が入る前に回復していてくれるのであるが、決して現代的なデザインのものに取って代わることはない。昭和の団地感を継承していくのでる・・・

というわけで、

いくつか紹介してきたが、この古き良き?、古びた公営住宅(団地)をこつこつとリノベーションしていく様子をお届けしたい。公営住宅である以上、壁に穴を開けたり、構造物を変更することは出来ないという制約の中で、知恵と工夫を絞り出してやっていくしかないのである。

気軽な気持ちで見てやってください。

よろしくお願いいたします。